ヨハネス・フェルメール生誕389周年。
彼の超有名絵画で最高傑作である「真珠の耳飾りの少女」。
個人的に一番好きな西洋絵画で、実物も観たことがあるのですが、実は興味を持ったのはこの映画を観たのがきっかけです。
本作は未だモデルが不明の、「真珠の耳飾りの少女」のモデルが使用人だった説を描いた作品です。
Overview –概要–
原 題 ：Girl with a Pearl Earring
製作年 ：2003年
製作国 ：イギリス、ルクセンブルク
ジャンル：伝記、ヒューマンドラマ
上映時間：1時間40分
監 督 ：ピーター・ウェーバー
原 作 ：トレイシー・シュヴァリエの同名小説
メインキャスト：
グリート – スカーレット・ヨハンソン
フェルメール – コリン・ファース
ファン・ライフェン – トム・ウィルキンソン
ピーター – キリアン・マーフィー
カタリーナ夫人 – エッシー・デイヴィス
あらすじ
17世紀のオランダ。画家のフェルメールの屋敷で使用人として働き始めたグリートは、ある日、アトリエの窓拭きをしたことで光を変化させ、フェルメールの創作意欲を刺激する。パトロンのファン・ライフェンが新たな集団肖像画を注文した。ファン・ライフェンに挑発されたフェルメールは、グリートの肖像画を描くことに。
Opinion –個人的な感想–
絵画のように美しい映像と巧みな表現力
景色も俳優の演技も素晴らしく、なんとも表現力の高い映画です。
衣服や装飾品、街中のセット・・・全てがその時代を生き写し、様々なシーンひとつ切り取っても、まるで絵画のようです。
個人的には、冒頭のグリートがせっせと野菜を切るシーンに強く惹きつけられました。
色とりどりな野菜を、年季の入ったナイフでザクザクと切り、キレイに並べていく・・・
これだけでもはや芸術的な静物画のような感じです。
画像引用元：YouTube / Girl With a Pearl Earring – Trailer
そして本作では、「真珠の耳飾りの少女」の絵を、途中過程も完成品も、一度もはっきり映さないところが上手いなと思いました。
グリートが「自分の心までも描いている」と言い、妻カタリーナが嫉妬に狂うほどの作品。
一体どんな絵なのか…！鑑賞者の想像に委ねられるわけですね。
最後のエンディングでゆっくりと映し出される絵画「真珠の耳飾りの少女」。
映画の余韻に浸りながらじっくり鑑賞できる、芸術的な映画です。
主演スカヨハの透明感ある美しさ
豪華なキャストですが、とりわけ主役のグリート演じるスカーレット・ヨハンソンの透明感がやばいです。
白く美しい肌で、恐らくすっぴんでしょうが、ものすごく美しいです。
使用人なので、時々映る手はあかぎれていたり、少女役なのであどけなさもあります。
スカヨハは、マーベルのアベンジャーズのひとり「ブラック・ウィドウ」など、セクシーな女性役のイメージが強いですが、純粋無垢な少女役もピッタリです（年齢もあるとは思いますが）。
画像引用元：YouTube / Girl With a Pearl Earring – Trailer
寡黙な芸術家を演じるコリン・ファース
フェルメール役のコリン・ファースは渋かっこよすぎます。
映画「キングスマン」で英国紳士スパイ役を演じたときも相当かっこよかったですが、本作の乱れ長髪の寡黙な芸術家は、大人の色気がすごいです（笑）
実在したフェルメールは、こんなにイケメンだったのでしょうか・・・
▼英国紳士スパイ役のコリン・ファースはこちらをチェック
そして、個人的には奥さん役のエッシー・デイヴィスがめちゃめちゃ良い演技をしていると思いました。
嫉妬に狂っていく様がなんともすごいです。
若い頃はきっと美しいご令嬢だったのでしょうが、服装や髪型がいくら豪華でも、使用人の「若さからくる美しさには敵わない」という感じがヒシヒシと伝わってきます。
そして、憎悪がだんだんと彼女の表情を醜くしていく感じです。
画像引用元：YouTube / Girl With a Pearl Earring – Trailer
ちなみに、映画「ナルニア国物語」のお姉ちゃん役を演じたアナ・ポップルウェルも、子役で出演しています。
芸術が生み出す秘密のロマンス
フェルメールとグリートの関係性は、表面上はただの仕事仲間ですが、純粋に芸術を楽しむふたりは何とも楽しそうで幸せそうです。
誰も入ることのできない、ふたりだけの世界。
そして、グリートが密かにフェルメールに惹かれていく感じも伝わってきます。
対するフェルメールも、純粋に芸術対象としてグリートを見ていたのかもしれませんが、熱い眼差しや身体の接近・接触の真意はいかに・・・。
露骨な恋愛感情や表現がなくても、そんな特別な関係に、奥さんが嫉妬してしまうのも必然でしょう。
また「使用人」という身分がより火種になっていそうです。
娘のひとりも、母親と同じくグリートに嫉妬して、嫌がらせをするんですよね。
画像引用元：European Film Awards
絵画「真珠の耳飾りの少女」の奥深い魅力
最初この絵を見たときは「眉毛ないな～」ぐらいの感想でした。しかし・・・
美しい青色のターバンや暗闇で輝く大粒の真珠。
そして艶やかで半開きの紅い唇、絶妙な首の角度、じっとこちらを見つめる何とも言えない熱い眼差し・・・
観れば観るほど、どんどん魅せられてしまいます。
少女のモデルは未だに不明で、娘だという説もあったり。
また、真珠も本物ではないという説も（この時代にこの大きさ、形はあり得ないという）。
他にも「青いターバンの少女」という題名があるように、鮮やかな青色の塗料は当時貴重なラピスラズリを使用していて、とても高級品だったそうです。
画像引用元：https://www.mauritshuis.nl/jp/
東京で開催された「フェルメール展」でも人気すぎて、この絵だけのフロアがあり、長蛇の列でした。
しかも絵の前で立ち止まってじっくり観れないという…
一瞬でしたが、それでもかなりの感動でした。
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