「シックス・センス」など、オチで鑑賞者を驚かせる作品で有名なM・ナイト・シャマラン監督の映画です。
個人的に世界観や描写、キャストの雰囲気が好きな作品です。
Overview –概要–
原 題 :The Village
製作年 :2004年
製作国 :アメリカ
ジャンル:ミステリー、スリラー、ラブロマンス
上映時間:1時間48分
監 督 :M・ナイト・シャマラン
メインキャスト:
アイヴィー – ブライス・ダラス・ハワード
ルシアス – ホアキン・フェニックス
ノア – エイドリアン・ブロディ
ウォーカー氏 – ウィリアム・ハート
キティ – ジュディ・グリア
ハント夫人 – シガニー・ウィーバー
あらすじ
深い森に囲まれた村で、自給自足で暮らす数十人の村人たち。村には「森には決して入ってはいけない」という掟があり、森に住む謎の怪物と境界線を張って暮らしていた。しかし、1人の少年の死を境に、村に異変が次々と起こり始める……。
ネタバレラスト
こちらはネタバレになるので、まだ視聴していない方は閲覧注意です。
【村の秘密】
かつて大事な家族を残酷な形で失った村長と年長者達が、犯罪のない自給自足の理想郷として作った村でした。何も知らない二世代以降の村人が安全に暮らせるように、完全に外の世界と隔離するために、架空の怪物を作り上げたのです。
西暦1897年と思われた時代は実は2000年代で、森に住む謎の怪物の正体は、不気味な怪物の被り物を被っただけの人間(年長者達の自作自演)でした。
ノアに刺され、瀕死のルシアスを助けるには村にはない薬を手に入れなければならず、アイヴィーは村の外に出ること決意します。
目の見えないアイヴィーならば、秘密を守る条件で、村の外に出ることを許されます。
村の秘密と本当は怪物などいないことを知らされ、森を進むアイヴィーでしたが、なぜかいないはずの怪物に襲われます。しかしアイヴィーは怪物を大穴に落とすことに成功し、森の外に出るのでした。
怪物の正体はアイヴィーを追ってきたノアで、大穴に落ちたことで絶命してしまいます。
外の世界では、その森は「ウォーカー野生生物保護区」と呼ばれる、村長の父親の遺産によって警備が賄われた私有地でした。警備員から薬を貰ったアイヴィーは、無事村に戻ってくるのでした。
Opinion –個人的な感想–
「ミステリー 」「スリラー」感が強調された映画ですが、個人的には純愛が描かれていて好きな作品です。
登場人物の様々な想いと愛の形があるので、それぞれ紹介したいと思います。
アイヴィーとルシアス
ルシアス役は映画「ジョーカー」で話題となったホアキン・フェニックス。
寡黙だけれど勇敢で優しい心の持ち主。
不器用だけど言葉ではなく、まっすぐ行動で示すタイプのようです。
画像引用元:https://www.imdb.com/
盲目のアイヴィーの手を取って助けるシーンはとってもかっこいいですし、夜中にポーチで愛を告白するシーンも映し方が絶妙に上手く、惹きつけられます。
「なぜこのポーチにいるの?」「私たちがもし結婚したら一緒に踊ってくれる?」「なぜ思っていることを言ってくれないの?」というアイヴィーの問いかけに対し、「思っていることを言葉にして何になる。君のことで頭がいっぱいだと言って何になる?」「だから僕はこのポーチにいるんだよアイヴィー。君を守りたいから。」「そしてもちろん、僕らの結婚式では君とダンスを踊るよ。」
この告白に対しアイヴィーが静かに涙を流すシーンは何とも素敵です。
盲目のヒロイン・アイヴィーを演じるブライス・ダラス・ハワードも、神秘的でファンタジックな雰囲気があり、ものすごく魅力的です。
「芯が強くて愛に溢れている」と、父であるウォーカー氏も絶賛する通りのキャラです。
森を一人で進むシーンは本当に怖そうで観ていてハラハラします。
目が見えない状態で見知らぬ森を一人で歩くって(たとえ謎のモンスターの存在がなかったとしても)、拷問すぎます。
画像引用元:https://www.imdb.com/
純真無垢なノア
ノアを演じるエイドリアン・ブロディもファンタジー界の登場人物のようです。
ただ、何とも可哀想なキャラでしたね・・・。
事故とはいえ、大好きなアイヴィーに殺されるような形で亡くなってしまいました。
彼の死の真相は、その後村の年長者以外に語られることはないでしょうが、察しの良いアイヴィーやルシアスは気づきそうな気もします。
もしそうなったら、ふたりは心から幸せになるのが難しくなってしまうのでは、と思いました。
また、無残な動物の死骸が何度か村で発見され、それはノアの仕業ということが後々わかります。
知的障害者の役ですが、なぜそんなことをしたのでしょうか。
アイヴィーが大好きなので、嫉妬からルシアスも刺すし、怪物が村を襲うと喜び喚く。
純真無垢そうに見えて、実はものすごく残酷なのかもしれません。
画像引用元:https://www.imdb.com/
ウォーカー氏とハント夫人
アイヴィーの父ウォーカー氏と、未亡人であるルシアスの母ハント夫人の密かな恋?の描写も気になるところです。
アイヴィーに「本当の気持ちを知られないように、したいことを避けている」と言われたルシアスは、一度も触れようとしないウォーカー氏の、母への想いに気づきます。
それを教えられた母は、不自然にも触れたそうで全然触れてくれないウォーカー氏にもどかしそうですが、終盤アイヴィーを町へ送った後「それしかしてやれない」と告げられます。
村の平穏を守るには、不倫なんてもっての他ですもんね・・・その一言がすごく重いです。
画像引用元:https://www.imdb.com/
こっそり登場する監督
「どんでん返しオチ」で有名なM・ナイト・シャマラン監督ですが、自分の作品にチョイ役で出演する点も、彼の特徴です。
本作では、後ろ姿のみですが、監視小屋にいるもう一人の警備員役で出演していました。
「シックス・センス」では医師役など、彼の作品のどこかしらにこっそり出演しているので、それを探すのも面白いかもしれません。
ミステリアスで美しい音楽
個人的にこの作品の好きな点は、雰囲気を盛り上げる音楽でもあります。
ピアノとヴァイオリンの旋律がエモくて美しいです。
話はもちろん面白い設定で、人物描写と音楽も素晴らしい作品でした。
「ヴィレッジ」の視聴方法
「ヴィレッジ」は、残念ながら現在配信しているサービスはありません。
DVDのレンタルか、購入で視聴をしてみてください。
アイキャッチ画像引用元:Amazon Prime Video
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