「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのアラゴルン役で世界的名声を得た
ヴィゴ・モーテンセンが主演の映画
アラゴルン時代とは全然風貌が違うので、逆に興味を持って観てみました
感動はもちろん、感慨深い作品です
グリーンブックとは
人種隔離政策時代(1930年〜1960年代)のアメリカ合衆国で、自動車で旅行するアフリカ系アメリカ人を対象として発行された旅行ガイドブック。彼らが利用できる宿泊施設やレストランなどが記載されている。
Overview –概要–
原 題 :Green Book
製作年 :2018年
製作国 :アメリカ
ジャンル:伝記、ヒューマンドラマ、コメディ
上映時間:2時間10分
監 督 :ピーター・ファレリー
メインキャスト:
トニー・”リップ” ヴァレロンガ – ヴィゴ・モーテンセン
ドン “ドクター”・シャーリー – マハーシャラ・アリ
妻ドロレス – リンダ・カーデリーニ
概 要 :
1962年、ジャマイカ系アメリカ人のクラシック・ジャズピアニストであるドン “ドクター”・シャーリーと、彼の運転手兼ボディガードを務めたイタリア系アメリカ人のトニー・”リップ” ヴァレロンガが、アメリカ最南部を回るコンサートツアーの実話を基にした作品。
主な受賞歴:第91回アカデミー賞で作品賞・助演男優賞・脚本賞を受賞
時は1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。ある日、トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。彼の名前はドクター・シャーリー、カーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才は、なぜか差別の色濃い南部での演奏ツアーを目論んでいた。二人は、〈黒人用旅行ガイド=グリーンブック〉を頼りに、出発するのだが─。
出典:映画『グリーンブック』公式サイト
Opinion –個人的な感想–
黒人でも白人でもない
トニーとドンが口論となり、雨の中で告げられる
「はぐれ黒人だ」というドンの心の叫びが印象的です
白人=富裕層・雇主、黒人=貧困層・労働者
のような偏見が当たり前の環境で
裕福な暮らしと華やかな職業を得ても、孤独に差別に耐え
世の中が少しでも変わるよう、アメリカ南部でのツアーを決行したドン
また「男でもない」という台詞が続き、同性愛者の描写もあるので
明確には描かれてませんが、性別上の苦悩も抱えていたようです
様々な差別描写
公演会場のレストランで入店断られたり、夜の外出は禁止だと車を止められたり
何もしていないのに一方的に暴力を振るわれる
その他にも、道中の差別描写はたくさんあります
ゴミだらけのおんぼろピアノが用意されていたり
スーツの仕立て屋で試着を断られたり、トイレが使えなかったり
最終公演会場で歓迎されながらも、楽屋は物置部屋だったり・・・
農地でせっせと働く黒人労働者の、好奇の的になることもありました
逆にクリスマス・イブに白人保安官に車を止められ
また何か差別的な扱いを受けるのかと思いきや
タイヤのパンクを知らせてくれただけ、というエピソードが沁みます
画像引用元:YouTube / Green Book – Official Trailer
トニーの成長が見どころ
白人ですが、裕福ではなく家計を支えるために日々働くトニーは
ドンよりも「黒人だ」と主張します
最初は明らかに差別主義者だったトニーは
ドンとツアーを共にしたことで、だんだんと心を入れ替えていきます
差別を目の当たりにし、ドンがどんな想いで耐え忍んでいるかを痛感し
トニーの戸惑いや心の変化がリアルに描かれていて、成長する様が見ものです
節度ある行動や、妻への手紙の文章力の向上も然り
最初から平等主義者の妻ドロレスが
ツアー後の夫の変化に喜んでいるシーンも微笑ましいです
また、実際は2か月ではなく、1年半もツアーを共にしたそうで
生涯の友になる所以がうかがえます
画像引用元:YouTube / Green Book – Official Trailer
お守りの石
差別の苦しいシーンだけではない、クスッと笑えるユーモアが素敵な作品
お土産ショップで落ちていた翡翠の石をくすねたトニーは
返すか買うかしろと言われ、返すフリをします
しかし終盤で「あのお守りの石は?」とドンにちゃんとバレているのが面白いです
他にも、フライドチキンの骨を車の窓から大胆に捨てるトニーの真似をして
ドンも捨てるのですが、調子に乗ったトニーは紙コップも同様に捨てると
ドンに怒られ拾いに戻らされるというシーンも笑
(ただ、フライドチキンも黒人に対する差別的見方があるようです)
画像引用元:YouTube / Green Book – Official Trailer
また、ドンを白人連中から守るため、トニーが脅しで銃を持っているフリをしますが
ツアー最終日に黒人クラブから出てきたところで
無防備に札束をさらけ出してしまったドクターを狙ったゴロツキを追い払うため
銃をぶっぱなし、「持ってたんじゃないか!」とドンが驚くところも笑えます
笑いあり涙ありの素晴らしいヒューマンドラマでした
アイキャッチ画像引用元:https://www.facebook.com/Greenbookmovie/
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