大好きな女優のナタリー・ポートマンが出演していたので観たのですが
泣けます 心を揺さぶられます
デンマークの映画をリメイクした作品です
Overview –概要–
原 題 :Brothers
製作年 :2009年
製作国 :アメリカ
ジャンル:ヒューマンドラマ
上映時間:1時間50分
監 督 :ジム・シェリダン
原 作 :デンマーク映画、スザンネ・ビア監督の「ある愛の風景」のリメイク作品
メインキャスト:
兄サム – トビー・マグワイア
弟トミー – ジェイク・ギレンホール
妻グレース – ナタリー・ポートマン
父ハンク – サム・シェパード
母エルシー – メア・ウィニンガム
長女イザベル – ベイリー・マディソン
次女マギー – テイラー・ギア
サム・ケイヒル大尉は、愛する妻グレースとふたりの娘を残し、4度目の軍務に出発したが、サムの乗るヘリがアフガニスタン山中で撃墜され、家族はサムの戦死の報せを受ける。家族は喪失感に襲われるが、そこへ前科者のサムの弟トミーが現れ、家族の心の穴を埋めようと努力する。トミーと家族は打ち解け始めるが、そこへ別人となったサムが生還するのだった。
以下はネタバレも含み、視聴した方向けに書いていますので、作品を視聴してからの閲覧をおすすめします
Opinion –個人的な感想–
激変する主人公を熱演
俳優の演技に引き込まれます
サムがキッチンで暴れてしまうシーンは
彼の身に何があったかを知っているからこそ
バイオレンスなシーンにも関わらず泣けてきました
サム役トビー・マグワイアも、トミー役のジェイク・ギレンホールも
グレース役のナタリー・ポートマンも、皆演技が素晴らしい
特に、冒頭の幸せ家族のサムと、生還した闇サムの違いがすごいです
痩せて痛々しい傷痕のある外見ももちろんですが(役作りで減量したのでしょう)
ずっと何を見ているのか、何を考えているのかわからない、表情や目が印象的です
個人的に、トビー・マグワイアの主演映画で
一番好きな作品かもしれません(全部観てませんが)
任務に赴く前に、キツくてなかなか取れなかった結婚指輪を妻に託したシーンと
最後の面会のシーンでゆるゆるになった結婚指輪をいじるシーンの対比が
サムがどれだけ変わってしまったのか
幸せな過去と今がどれだけ違うのかを物語っていました
画像引用元:YouTube / Brothers (2009) Official Trailer
子役の迫真の演技
父親の変化を敏感にキャッチする長女イザベル役の女の子
ベイリー・マディソンの演技に引きつけられます
いつも可愛がられる妹と自分を比べてしまう彼女を
同じように兄と比べられて生きてきたトミーが理解してくれます
そんなトミーの方が、生還した精神不安定な父より好きになってしまう
でも突然、見ず知らずのチャラそうな彼女を連れてきたものだから、ショックですよね
トミーはトミーで、これ以上無駄な不倫の疑いを持たれないように
急いでつくった彼女かもしれません
しかし子供というのは純真無垢がゆえに残酷ですね
本心を包み隠さずぶつけてしまう
つい反発心でも「死ねばよかったのに」という禁句を吐いてしまいます
父がどうやって生還したのか、残酷な真実を知らないが故に
そんな子供ながらの揺れ動く心情を見事に演技していたと思います
画像引用元:YouTube / Brothers (2009) Official Trailer
助演に名女優
サムが殺めてしまった部下ジョーの妻キャシー役は、キャリー・マリガン
彼女も好きな女優なので
ナタリー・ポートマンと共演があったのかと驚きでした
(トビーとは「華麗なるギャツビー」で共演しています)
夫を亡くしてから見る悪夢というのは
ジョーが何かを伝えようとするけれど、彼の口から歯が落ち血が流れ
それを必死に拾おうとするキャシー
そしてサムが現れ、キャシーの手を取って結婚指輪を笑顔で見ている、というもの
そして、その内容を聞いてしまうサムの心情はいかほどのものでしょうか
何とも残酷です
余談ですが、個人的にサムとグレースの学生時代の写真に感動しました
若かりしナタリー・ポートマンそのもの
サムの方は、トビー・マグワイアの若い頃の姿なのか
雰囲気が似ている別の人なのかはわかりませんが
合成しているのだと思うけれど出来栄えがとてもリアルです
画像引用元:YouTube / Brothers – I killed Joe Willis
戦争の爪痕を描く社会派映画
物語は妻グレースに真実を告白して終わりますが
この先、家族は幸せになって欲しいと願うばかりです
ただ、仕方なかったとはいえ、戦場だったとはいえ
部下を殺めてしまった罪の意識は、一生薄れることはないでしょう
最後のサムの語り「問題は “僕が再び生きられるか” だ」
という台詞がものすごく重いですが
この物語のテーマそのものと言いますか、核心を突いています
事実を元にした作品なのかは不明ですが
実際、兵士がトラウマを背負ってうつ病や自殺をするケースがありますし
現代社会の闇をリアルに描いた社会派映画です
心に沁みる主題歌
予告編に流れている
The Frayの「Never Say Never」が、とても感傷的な曲です
主題歌として紹介されているのはU2の「Winter」ですが
こちらは、トミーとグレースがキスするシーンでふたりが聴いていた曲だと思います
兄弟の絆
本作の原題は「Brothers」、日本題は「マイ・ブラザー」
元のデンマーク作品も「Brødre」(邦題は「ある愛の風景」で全然違います)
サムとトミーの兄弟の絆が随所随所に感じられます
トミーが出所したときの仲の良いやりとりとか
トミーを見守るサムの温かい眼差しとか
父と喧嘩してもサムだけは味方でいる感じとか
そしてサムの自殺を食い止めたのはトミーの言葉だったり
捕まったサムが電話したのはトミーだったり
画像引用元:YouTube / Brothers (2009) Official Trailer
もちろん妻グレースも子供たちも大切な存在であるけれど
弟はまた別の、特別な存在であるように描かれています
~fin~
アイキャッチ画像引用元:https://www.sobrosnetwork.com/2019/07/02/mrr-brothers-2009/
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