あなたは普段、ウイスキーをどのくらい飲むでしょうか?
または、BARなどでウイスキーを注文したりすることはあるでしょうか?
ソーダで割ってハイボールとして飲む人や、ロックで飲む人、ストレートでウイスキーの香りや味をそのまま楽しむ人など、さまざまな飲み方があり魅力の多い蒸留酒です。
しかし、「実はウイスキーについてあまり知識がなくて、どんな種類があるかもわからないまま飲んでいるかも」という人は多いのではないでしょうか。
また、「大切な人へウイスキーをプレゼントしたいけど、どれを選べばいいかわからないんだよねー」という人もいるのではないかと思います。
そんな、あなた!!!
ウイスキーの種類や製法はさまざまで、それらによって味わい、風味も物によって変わってきます。
選び方や飲み方もちょっと知るだけで、ウイスキーは今までの10倍、100倍も楽しめるお酒なのです。
種類に関してはたくさんありますが、
世界で最も親しまれているものはたったの5つに分類され、「5大ウイスキー」に分類されます。
5大と聞いて、「あれ!意外とそんなに多くないな」と感じた人。
そうなんです。普通にウイスキーを楽しみたいのであれば、10分程度で今回の記事を読めばだいたい理解できてしまいます。
いつもなんとなくで「ハイボールで!」と頼んじゃう人や、「ウイスキーの楽しみ方を知りたいな」と思っている人は、今回の記事を読んで、ウイスキーの基本的な知識や種類を知って、「マッカラン、ロックで!」といった風に頼めるようになってください!
ぜひ、参考にしてみてくださいね!
ウイスキーとは
ウイスキーの定義
まずは、そもそもウイスキーとは何?という基本ですが、実は、ウイスキーの定義は国によって異なっているのです。
造られている国、製造法、使用される原料によって、味わいや香りに差があるので、それぞれ魅力があるのですが、一般的には次のように定義されています。
「穀類を原料として、糖化、発酵の後に蒸溜をおこない、木製の樽で貯蔵熟成させてできるお酒」
穀類を原料とするお酒はいくつかあるのですが、とくに重要な違いは、「貯蔵熟成」です。
出典:サントリー ホームページ
上の図を見ると、とてもわかりやすいですよね。
ウイスキーは樽の中で、長い年月をかけて熟成させるので、手間がかかります。
しかし、これこそがウイスキーをつくるときの大事なポイントです。
長期間にわたって熟成されることよって綺麗な琥珀色になり、ウイスキーの香りがまろやかになり、味わい深いコクを引き出してくれます。
複数回の蒸留後のアルコール度数は60〜70%で、色は無色透明です(ニューポットと呼ばれる)。
この後、蒸留液を木製の樽に詰めて、数年以上熟成させることによって、風味や色がついてきます。
ウイスキーとは?と聞かれたら、「長期熟成する蒸留酒」と覚えておきましょう。
ウイスキーの名称の由来
ちなみにウイスキーという名称は、蒸留アルコールを意味するラテン語の “aqua vitae” (アクア・ヴィテ、「命の水」)に由来したものです。
アルコールの蒸留技術がそれぞれの地域に伝わる過程で、“uisge beatha” や “uisce beatha” (ウィシュケ・ビャハ、「命の水」)と翻訳され、「水」の部分 “uisce”,”uisge”(ウィシュケ)が訛って “whisky” (ウィスキー)になったとされているのが通説です。
名称の由来を知ると、なんだかちょっぴり詳しくなった気がしますよね!
ウイスキーの種類
ウイスキーは、原料によって「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」の2種類に分類されます。
さらに製法やブレンドによっても「シングルモルトウイスキー」と「ブレンテッドウイスキー」に分けられます。
◎ モルトウイスキー :大麦麦芽が原料、単一蒸留器によってつくられたもの
◎ グレーンウイスキー:トウモロコシなどの穀物を原料、連続式蒸留器によってつくられたもの
◎ シングルモルトウイスキー:単一蒸留所のモルト原酒のみでつくられたもの
◎ ブレンテッドウイスキー :モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしてつくられたもの
出典:サントリー ホームページ
このほかにも、原料による分類としては、北アメリカで生産されるライ麦を原料としたライウイスキーや、バーボンウイスキー(アメリカ)のうち、原材料に80%以上トウモロコシを利用したコーンウイスキーなどもあります。
世界のウイスキーについて
世界にはたくさんのウイスキーが存在しており、地域によって香りや味わいはさまざまです。
大きく分けると「スコッチウイスキー(スコットランド)」、「アイリッシュウイスキー(アイルランド)」、「アメリカンウイスキー(アメリカ)」、「カナディアンウィスキー(カナダ)」、そして我らが日本が誇る「ジャパニーズウイスキー(日本)」の5つに分類することができます。
この5つのウイスキーが「世界の5大ウイスキー」と呼ばれています。
出典:サントリー ホームページ
ものによってはオークションなどで1本あたり数百万円で取引されるヴィンテージウイスキーなどもありますが、お手頃価格でおいしく飲めるウイスキーもたくさんありますので安心してください。
5大ウイスキーの特徴
なんとなくウイスキーについて、わかってきたのではないでしょうか?
ここからは、ちょっとマニアックかもしれませんが、世界の5大ウイスキーにはどんな種類があるのかについて解説していきます。
5大ウイスキー①:スコッチウイスキー
出典:wikipedia
1つ目は『スコッチウイスキー』です。
イギリスの北部・スコットランドでつくられるウイスキーです。
麦芽を乾燥させる際に燃焼させる泥炭(ピート)香によるスモーキーフレーバーが特徴で、香りの強さは銘柄によりまちまちです。
現在のジャパニーズウイスキーの見本となったのがスコッチウイスキーであり、
日本のウイスキー発展に大きく貢献する人物「マッサン」がウイスキー修行で訪れたのがスコットランドだったので、日本のウイスキーの源流となっています。
世界でも知名度が高く、多くの人に愛されているウイスキーです。
スコッチウイスキーは、大きく分けると次の2つの種類になります。
- シングルモルトウイスキー
- ブレンデッドウイスキー
シングルモルトウイスキー
二条大麦という種類のモルトが使用されており、1つの蒸留所からつくられるウイスキーを指します。
シングルモルトは蒸留所の個性が出やすいウイスキーなので、同じシングルモルトウイスキーでも味が変わるのが面白いところです。
よくスコッチウイスキーはスモーキーな味がすると言われますが、これはシングルモルトウイスキーがつくられる過程でスコットランドの土壌から採取されるピート(泥炭)を使用することでピートの香りが移ることに起因します。
このピート香の強さや、その奥に感じるモルトの甘味が生産されている地域によって変わるのは、シングルモルトスコッチウイスキーを楽しむ要素の1つです。
代表的なウイスキーは、「マッカラン」です。
ブレンデッドウイスキー
数種類のシングルモルトウイスキーの原酒と、大麦以外の原料からできるグレーンウイスキーをブレンドしてつくられます。
グレーンウイスキーはシングルモルトウイスキーと非常に調和が取りやすいウイスキーなので、ブレンデッドウイスキーはシングルモルトウイスキーよりもまろやかな仕上がりのものが多いです。
また、ブレンデッドウイスキーはシングルモルトウイスキーに比べて生産コストがかからないので、よりリーズナブルに購入することができるのも魅力の1つです。
代表的なウイスキーは、「ジョニーウォーカー」です。
5大ウイスキー②:アイリッシュウイスキー
出典:SAKECOMI
2つ目は『アイリッシュウイスキー』です。
アイルランド島(アイルランド共和国と北アイルランド)でつくられていて、最も古い歴史を持つともいわれています。
アイルランドの独立戦争、アメリカの禁酒法などの政治的な背景や、スコッチウイスキーが大人気を博したことで、一時的に蒸留所が4つになるまで衰退しましたが、近年は盛り上がりを見せていて、新しい蒸留所がいくつも建設され、新たなウイスキーもたくさん生産されています。
大麦麦芽が原料とされますが、ピート(泥炭)香を使わないのでスモーキーな味わいはなく、すっきりしていて飲みやすいものが多いです。
ウイスキー初心者でもとても飲みやすいのが最大の魅力です。
クセが少ないので、いろいろなものに合わせやすく、冬の時期、アイリッシュウイスキーとコーヒーを混ぜたカクテルは冷えた体を温めてくれるでしょう。
基本的には3回蒸留するのがアイリッシュウイスキーの伝統です。
アイリッシュウイスキーは、大きく次の4つの種類に分けられます。
- ピュアポットスチルウイスキー
- モルトウイスキー
- グレーンウイスキー
- ブレンデッドウイスキー
ピュアポットスチルウイスキー
未発芽大麦、大麦麦芽、オート麦を原料として、3回蒸留しているウイスキー。
熟成期間も短く、独特なフレイバーです。
製品としてはそこまで多くは生産されていない種類になります。
モルトウイスキー
大麦麦芽100%でつくられますが、ノンピートのため、
スコッチウイスキーよりもクセがなくスムーズな味わいです。
グレーンウイスキー
トウモロコシ、大麦、小麦を原料として、連続式蒸留器でつくられます。
ブレンデッドウイスキー
1970年以降、スコッチウイスキーに対抗するために、アイリッシュウイスキーでもモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキー。
BARで見かける「ジェムソン」や「ブッシュミルズ」もブレンデッドウイスキーの1つです。
5大ウイスキー③:アメリカンウイスキー
出典:ウイスキーを好きになるメディア「BARREL」
3つ目は『アメリカンウイスキー』です。
味わいは他の地域で生産されるウイスキーよりも軽いものが多いです。
アメリカでは多様な穀物が収穫されることから、原料・製法によりさまざまなタイプのウイスキーがつくられています。
寒暖差が非常に激しい地域でつくられるので、ウイスキーの熟成が加速されたり、オーク樽の内側を焦がした新樽を使用することで、オーク材からのフレーバーや色合いを強く取り込んだりします。
そのためスコッチやアイリッシュウイスキーとは違ったジャンルの強い香りや味わいがあるものもあります。
そんなアメリカンウイスキーの中でもよく耳にするバーボンウイスキー。
アメリカのケンタッキー州を中心に生産されるものであり、トウモロコシの使用比率が高く、甘みがあるウイスキーとなっています。
ジムビームハイボールなどで、近年は居酒屋でも親しまれるようになったバーボンウイスキーですが、過去には禁酒法等の煽りも受けて荒波にもまれたウイスキーでもあります。
バーボンウイスキーには国の法律で定められた定義があり、原料は51%以上がトウモロコシ、アメリカケンタッキー州で160プルーフ(80度)以上で蒸留され、2年以上熟成される必要があります。
スコッチウイスキーがスモーキーな香りだとすれば、バーボンウイスキーはトウモロコシの甘味が前面に出ていて、正反対のウイスキーと言えます。
バーボンウイスキーはスコッチウイスキーのように種類がいくつかあるわけではないですが、当時のウイスキーづくりとは全く異なるつくり方をしたことでウイスキー界に新たな風を吹き込みました。
5大ウイスキー④:カナディアンウイスキー
出典:wikipedia
4つ目は『カナディアンウイスキー』です。
5大ウイスキーの中では最も軽い酒質と言われていて、穀物由来のライトでマイルドな味わいが特徴です。
日本食にも合いやすく、ウイスキー初心者の人にもおすすめです。
アメリカの禁酒法時代でお酒の生産がストップしていた時に、カナダは輸出を禁止しなかったので「アメリカのウイスキー庫」として、一時は莫大な富を築きました。
今でも、カナディアンウイスキーの7割はアメリカで消費されています。
カナディアンウイスキーは、大きく次の3つの種類に分けられます。
- フレーバリングウイスキー
- ベースウイスキー
- カナディアンブレンデッドウイスキー
フレーバリングウイスキー
ライ麦、トウモロコシ、ライ麦芽、大麦麦芽を原料として、ライ麦由来のスパイシーでオイリーな味わいが強く、バーボンウイスキーに味が似ています。
ベースウイスキー
連続式蒸留器でトウモロコシなどを主原料につくられています。
スコッチウイスキーでいうところのグレーンウイスキーに近く、マイルドでクセがありません。
ブレンデッドウイスキー
フレーバリングウイスキーとベースウイスキーをブレンドしたもので、スコッチウイスキ―のブレンデッドウイスキーと似ています。
また、ボトルの中身の9.09%はカナダ産以外のものを入れることが許されていて、通常はバーボンウイスキ―を入れますが、シェリーなどの酒精強化ワインを入れることもあります。
代表的なウイスキーは、「カナディアンウイスキー」や「クラウンローヤル」です。
5大ウイスキー⑤:ジャパニーズウイスキ―
出典:酒の高価買取ならLINXAS(リンクサス)
5つ目は『ジャパニーズウイスキー』です。
日本で本格的なウイスキー蒸留所が創設されたのは1923年のことで、寿屋(現サントリー)の創設者である鳥井信治郎が大阪に山崎蒸留所をオープンしたのがジャパニーズウイスキーの始まりです。
そんな山崎蒸留所の開設に携わり、ジャパニーズウイスキーを語る上で欠かせない人物が、朝ドラで一躍有名になった竹鶴政孝、通称「マッサン」です。
マッサンは、本場のスコットランドでウイスキーづくりを学び、そこで得た知識を基に日本のウイスキーの発展に大きく貢献しました。
今の日本のウィスキーは鳥井信治郎と竹鶴政孝が出会っていなければ無かったと言っても過言ではないでしょう。
そんなジャパニーズウイスキーですが、マッサンがスコットランドで得た知識を基につくられているので、味や香りはスコッチに近いものがありますが、スコッチと比べると全体的にピート香は控え目で、日本人の舌に合うようにつくられています。
ジャパニーズウイスキーは、大きく次の3つの種類に分けられます。
- シングルモルトウイスキー
- グレーンウイスキー
- ブレンデッドウイスキー
シングルモルトウイスキー
基本的には、スコッチのシングルモルトと同じです。
代表的なウイスキーは、「山崎」、「白州」、「竹鶴」、「余市」、「宮城峡」です。
グレーンウイスキー
基本的には、スコッチのグレーンウイスキーと同じです。
代表的なウイスキーは、「知多」です。
ブレンデッドウイスキー
基本的には、スコッチのブレンデッドウイスキーと同じです。
代表的なウイスキーは、「響」、「角瓶」、「サントリーオールド」です。
まとめ
ウイスキーの基礎的な知識や五大ウイスキーの種類について紹介しました。
ここまで読んだ人は、今まで難しいと思っていたウイスキーは、意外と身近な存在に思えたり、もっと知りたいなと思うようになったのではないでしょうか。
最初に話したように、ウイスキーについて知識が広がることによって、楽しみ方を知り、
ウイスキーが魅力的に感じるようになったと思います。
ウイスキーは部屋に飾ってインテリアとなるおしゃれな装りにもなるので、プレゼントにもおすすめですよ。
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