あらすじを読んで興味を持ちました
これが現実にあったのか、と驚愕しました
ドキュメンタリー映画と思えるくらい
リアルで素晴らしい作品です
2003年ピューリッツァー賞公益報道部門を受賞した「ボストン・グローブ」紙の報道に基づき、米国新聞社の調査報道班として最も長い歴史を持つ同紙の「スポットライト」チームによる、ボストンとその周辺地域のカトリック司祭による児童性的虐待事件の報道を描いています
Overview –概要–
原 題 :Spotlight
製作年 :2015年
製作国 :アメリカ
ジャンル:伝記、クライム、ヒューマンドラマ
上映時間:2時間9分
監 督 :トム・マッカーシー
メインキャスト:
<スポットライト班4名>
ロビー – マイケル・キートン
マイク – マーク・ラファロ
サーシャ – レイチェル・マクアダムス
マット – ブライアン・ダーシー・ジェームズ
バロン局長 – リーヴ・シュレイバー
ベン統括部長 – ジョン・スラッテリー
弁護士ガラベディアン – スタンリー・トゥッチ
弁護士サリヴァン – ジェイミー・シェリダン
弁護士マクリーシュ – ビリー・クラダップ
心理療法士サイプ – リチャード・ジェンキンス
ロウ枢機卿 – レン・キャリオー
SNAP代表サヴィアノ – ニール・ハフ
主な受賞歴:第88回アカデミー賞では6部門にノミネートされ、作品賞と脚本賞を受賞
2001年の夏、ボストン・グローブ紙に新しい編集局長のマーティ・バロンが着任する。マイアミからやってきたアウトサイダーのバロンは、地元出身の誰もがタブー視するカトリック教会の権威にひるまず、ある神父による性的虐待事件を詳しく掘り下げる方針を打ち出す。その担当を命じられたのは、独自の極秘調査に基づく特集記事欄《スポットライト》を手がける4人の記者たち。デスクのウォルター”ロビー”ロビンソンをリーダーとするチームは、事件の被害者や弁護士らへの地道な取材を積み重ね、大勢の神父が同様の罪を犯しているおぞましい実態と、その背後に教会の隠蔽システムが存在する疑惑を探り当てる。やがて9.11同時多発テロ発生による一時中断を余儀なくされながらも、チームは一丸となって教会の罪を暴くために闘い続けるのだった・・・。
出典:映画『スポットライト 世紀のスクープ』公式サイト
Opinion –個人的な感想–
悲惨な事件を繰り返さないために
大前提、宗教を批判している話ではなく
悲惨な事件を繰り返さないために奮闘する話
映画作品などでも、たまに神父の卑劣な行為は描かれていて
(カトリック教会の聖職者は、独身の男性に限られるためか)
何となくそうゆうこともあり得るのか…と認識はしていましたが
こうやって事実をリアルに突き付けられると
何とも末恐ろしい話です
無宗教の多い日本では、なかなか実感が湧かないかもですが
「神父は神のような存在」という権力を利用した巨大組織の大犯罪
最後のテロップで流れる被害者の数はもちろん
虐待が判明した都市の一覧で
自分が訪れたことのある地名を多数見ると寒気がしてきます
たった4名で巨大組織に立ち向かう
よくも何年も隠蔽してきたなと思いますが、それだけ巨大な力ということ
それを新聞記者達たった4名(局長や統括部長を含めれば6名)で暴くのだから
ものすごく大変だったと思います
何人もの弁護士にあたり黙秘されながらも
多くの人に反対されたり追い返されたりしながらも
被害者の辛い話に真摯に向き合いながらも
最後まで闘い抜いた彼らには敬服します
画像引用元:映画『スポットライト 世紀のスクープ』公式サイト
熱意に動かされる協力者達
最初は非協力的な弁護士や統括部長も
彼らの熱意に動かされ、良心に従って協力的になるところもいいです
作中、マクリーシュからのリストを処分したのは
統括部長のベンという明確な言及はなく
当時ロビーが担当だったと認め、ベンを責めることはありませんでした
ただベン自身、最初は否定的な態度を取っていたり
班の動向を気にしていたり、事件の重大性を知って思い詰める描写があり
それを物語っているのも良い演出でした
驚愕の加害者数と被害者数
その後、ゲーガン神父は逮捕され獄中で他の囚人に殺されたそうですが
記事掲載後も、南米に転属した神父たちが過ちを繰り返したという記事もあり
それだけでは終わらない、というのがシビアな現実
ちなみに、全米では聖職者6,000人以上が17,000人以上の児童に
性的虐待を行っていたことが明らかになったそうです
もし自分が、自分の子供が、自分の知人が被害にあっていたら・・・
想像するだけでもおぞましいです
画像引用元:映画『スポットライト 世紀のスクープ』公式サイト
リアリティーの高さが魅力
この映画の魅力は
ある意味淡々とスポットライト班の動向を描いているところかと思います
変にオーバーな表現がなく、俳優たちもどこか普通にいそうな風貌
少しずつカギとなる情報が集まっていくので、全く飽きることなく
リアリティーが高い分、ぐっと引き込まれます
音楽も落ち着いたどこか悲し気な曲調で、映画の雰囲気にベストマッチでした
俳優たちが普通の風貌とは言ったものの
バロン局長演じるリーヴ・シュレイバーは、ウルヴァリンの兄セイバートゥース役
印象が全く異なり驚きました
マイク演じるマーク・ラファロは「アベンジャーズ」のハルク役
サーシャ演じるレイチェル・マクアダムスは、ラブロマンス向きの華のある女優
これだけキャラが変わるのも、さすが名俳優だなと思います
画像引用元:左/映画『スポットライト 世紀のスクープ』公式サイト、右/ https://marvel.fandom.com/
局長の名言
また局長バロンのチームを讃える台詞が最高でした
「我々は闇の中を手探りで歩き、そこに光が差すことで間違った道だとわかる」
スポットライトという新聞の記事欄の名前でもありますが
この台詞に出てくる暗闇に差す光をも意味してるのだと思うと
とてもかっこいいです
ラストシーンの、ロビーが被害者からの受電で
「スポットライトです」と応答して終わる締め括り方がまた素晴らしかった
正直少し曖昧な解釈部分もありますが
その分もっと知りたいと思わせる、深い映画でした
アイキャッチ画像引用元:映画『スポットライト 世紀のスクープ』公式サイト
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