フランスを代表する大女優、イザベル・ユペールが主演の映画。
彼女目当てで見てみました。
「熟年離婚」をテーマとしている、なかなか珍しい作品かと思いますし、フランスっぽさを色んなところで感じます。
ちなみに原題の「L’Aveni」は、フランス語で「未来」という意味です。
Overview –概要–
原 題 :L’Aveni
製作年 :2013年
製作国 :フランス、ドイツ
ジャンル:ヒューマンドラマ
上映時間:1時間40分
年齢制限:PG12
監 督 :ミア・ハンセン=ラヴ(脚本も)
メインキャスト
ナタリー – イザベル・ユペール
ハインツ – アンドレ・マルコン
ファビアン – ロマン・コリンカ
イヴェット – エディット・スコブ
クロエ – サラ・ル・ピカール
ヨアン – ソラル・フォルト
画像引用元:『未来よ こんにちは』公式サイト
あらすじ
パリの高校で哲学を教えているナタリー(イザベル・ユペール)は、同じ哲学教師の夫ハインツ(アンドレ・マルコン)と独立している二人の子供がいる。パリ市内に一人で暮らす母(エディット・スコブ)の介護に追われながらも充実した日々。
ナタリーには、才能を誇れる教え子がいた。彼、ファビアン(ロマン・コリンカ)は、ナタリーの授業で哲学の面白さを知り、教師になった若者。久しぶりに会ったファビアンは、既に教師を辞め、執筆をしながらアナーキスト仲間と活動を共にしていた。
そんな折、同士ともいうべき存在の夫ハインツが、結婚25年目にして「好きな人ができた」と唐突に告白し家を出てしまう。そして母は認知症の症状が悪化し、施設に入ることに。母が溺愛していた猫のパンドラを、猫アレルギーのナタリーが飼うという可笑しな現実も待っていた。
生徒たちを家に招き、映画に行き、ナタリーは日常を楽しむべく日々を重ねる。だがある日突然、母が亡くなってしまう。夫と別れ、母は亡くなり、バカンスを前にナタリーは一人となった。長い付き合いの出版社は、売上第一主義に舵を切り、著作の契約も終了した。孤独だからこそ得られた自由を確認するかのように、彼女は猫のパンドラを連れて、ファビアンが仲間と暮らすフレンチ・アルプス近くのヴェルコール山へと向かう。だがここでも新たな別れが待っていた。
完全にお一人様となったナタリーに、はたして未来は微笑むのだろうか…。
出典:『未来よ こんにちは』公式サイト
Opinion –個人的な感想–
自由な恋愛
全体的に「フランスっぽいな~」と感じる点がたくさんありますが、一番は、恋愛に対する態度というか捉え方が、日本とは大きく異なるなと思いました。
フランスだけでなく欧米全体的なイメージですが、恋愛においてとても「自由」というイメージが強いです。
本作でも、長年連れ添ったパートナーが浮気をしていて離婚を切り出します。
夫婦仲が完全に冷めてるなーとか、喧嘩ばかりしているなとか、どちらかが我慢していて辛そうだな・・・という描写はなく、主人公ナタリーも突然の告白に完全に驚いた様子でした。
たまに「ちょっと意見や考えが合ってないかも?」と感じる点があるくらいです。
逆にそうゆうちょっとしたことの積み重ねなのかもしれませんが、意見が合わないことがあるのは当たり前ですし、多くの人は特に気に留めず(または我慢して)そのまま夫婦生活を続けるかもしれません。
夫ハインツは、妻のナタリーが嫌いだとか絶縁したいとか、そうゆう理由ではなく、子供も自立して親としての責任が軽くなり、妻の母の介護にちょっとうんざりしている中、魅力的な女性との縁があったことから、第二の人生を始めたくなったのでしょうか。
画像引用元:『未来よ こんにちは』公式サイト
ナタリーも驚いていましたが、夫の浮気や離婚の申し出に対して、特にヒステリックに怒ったり泣いたりする描写はありません。
「死ぬまで一緒かと・・・」という本音を漏らしただけ。
後半、たまたま彼女と歩く元夫を見てしまっても、思わず笑ってしまう程度。
ただ、離婚を切り出されてから夫に対しての態度や意見がちょっと冷たくなりますが、そりゃそうでしょう。
逆にそれくらいですんなり離婚できてすごいなと思うくらいです。
ひとつ言えるとすれば、妻も子供も経済的に自立している、という点は大きいかもしれません。
子供たちも本音はわかりませんが、自立しているとは言え、浮気をしている父を非難したり軽蔑したりする発言はしません。
ただ、全く気にしていないわけではなく、やはり残念な気持ちや悲しい気持ちは少し感じ取れたように思います。
むしろ離婚を切り出したのは、娘に「浮気してるでしょ?どっちか選んで、すぐにでも」と言われたからです。
娘が父親に「話がある」と言うと「妊娠だな」と、結婚前の妊娠がよくあることのように即答するのも少し驚きでした。
何歳になっても女性
主人公を演じるイザベル・ユペールが世界的な美魔女である前提はさておき、フランス(海外)の女性はいくつになっても恋愛する女性なんだなと感じる作品でもありました。
50代後半の女性という設定ですが、ワンピースも水着も着ています。
無理に若作りしているわけではなく、それが自然体でとても似合っているから驚きです。
ひとりで映画を見ていると、隣の席の見知らぬ年下男性から熱烈なアプローチを受けます。
明らかに断っているのに、ついて来られて無理やりキスされるという・・・(笑)
日本じゃありえないナンパだなと、このシーンも衝撃でした。
夫が新しい恋人をつくったように、ナタリーもその気になればすぐ恋人ができる、ということですね。
また、主人公ナタリーの母親もとても若々しいことが驚きでした。
演じている女優の美しさと、職業が元モデルという設定もありますが、認知症の要介護者でもファッションを気にしている描写など、まだまだ恋愛できそうな雰囲気があります。
ただ、若々しい分わがまま娘のように、手の焼けるシルバーモンスターなのは困りどころですが(笑)
近年は日本の女性も第二・第三の恋愛や人生を楽しんでいる人がいるかもしれませんが、結婚・出産して母親になり、そしておばあちゃんになり、恋愛からはどんどん離れていくイメージも正直まだまだ強いです。
画像引用元:『未来よ こんにちは』公式サイト
世界の女性の憧れパリジェンヌ
多くの有名なハリウッド女優から憧れの女優として名を挙げられるイザベル・ユペール。
若いときはもちろん美しいですが、50代になっても60代になっても時が止まったように若々しく美しいので本当に驚愕です!
本作の製作年2013年頃から60代に突入していますが、5~10歳は若く見えます。
ひざ丈ワンピースやスーツを可愛くもかっこよくも着こなす彼女は、世の女性の憧れパリジェンヌでしょう。
イザベル・ユペールのパリジェンヌなスタイル遍歴 – ELLE
主人公ナタリーの母親役を演じた仏女優エディット・スコブはさらにすごいです。。。
撮影当時は76歳!60年以上のキャリアがあるのも素晴らしいですね。
残念ながら2019年に81歳でお亡くなりになられましたが、本当に美しいです。
画像引用元:『未来よ こんにちは』公式サイト
パリジェンヌな監督
本作の監督であり女優でもあるミア・ハンセン=ラヴは、現在40歳の美しいパリジェンヌ。
本作の制作当時はアラサーという若さにして、フランスを代表する女性監督として高く評価されています。
本作は、イザベル・ユペールが主演という前提で脚本し、哲学者で熟年離婚した実母をモデルとしているそうです。
第66回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で、彼女は銀熊賞(監督賞)を獲得しました。
ちなみにイザベル・ユペールは、全米映画批評家協会賞主演女優賞、ニューヨーク映画批評家協会賞主演女優賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞主演女優賞などを受賞しています。
画像引用元:『未来よ こんにちは』公式サイト
フランスの美しい風景と日常
パリジェンヌ大女優も堪能できますが、本作の見どころはフランスの美しい風景や日常生活にもあると思います。
物語が始まり、出勤するナタリーが高校のスト活動で建物に入れない、というシーンも日本にはないフランスらしい情景だなと感じさせられます。
生徒たちと芝生の上に寝転がって哲学について語り合うシーンや、教え子を自宅に招いて家族とランチを楽しんだり、討論したり。
ナタリーは生活水準が高い方かと思いますが、モダンな家もオシャレですし、ブルゴーニュにある夫の実家も、海辺の別荘のようで風情がありオシャレでした。
特に、教え子ファビアンが仲間と暮らすヴェルコールの山荘は絵に描いたような生活です。
素朴で温かみのあるアンティークなインテリア。
庭で食事をしたり、近くの川で涼んだり。
一度、俗世から離れたような、こんな生活をしてみたいなと憧れますね。
画像引用元:『未来よ こんにちは』公式サイト
自分らしく自由に生きる
ナタリーが悲しみの涙を流すのは2回です。
ひとつは、母親の突然の死に対して。
ただ、号泣したり悲観に暮れたりするわけではなく、慌ただしく葬式等が終わり、ふと移動中のバスで感傷的になり涙ぐみます。
もうひとつは、思想の違いにより同士(教え子ファビアン)を失ったことに対して。
特に喧嘩するわけではないですし、自ら考えて行動できる若者を育てるという目標を達成したわけですが、ベッドで泣きじゃくります。
もしくは、ふいに訪れた喪失感や孤独感によるものかもしれません。
明確な理由はわかりませんが、正直このシーンが一番辛そうでした。
慌ただしく日常が過ぎ、夫や母親の介護からも解放され、本当に自由の身となったナタリー。
辛いであろう変化もありましたが、若者から執筆を依頼されたり孫が生まれたりと、良い変化も。
結局のところ「妻・母親・介護者・教師・哲学者」という肩書きから「母親・祖母・教師・哲学者」となり、彼女らしさはさほど変わらないように感じます。
夫がいなくとも、仕事・子供・友人・若者との繋がりなど、自分を確立する大切なものをたくさん持っているのは大事だなと、改めて感じました。
クリスマスは、元夫が恋人と別々で過ごすようでクリぼっちなのに対し、ナタリーは娘夫婦と過ごし、孫を抱きあやしながら幸せそうな姿で幕を閉じます。
色々あっても、いつまでも自分らしく明るく楽しく生きていく。
そんな彼女の未来を想像できる終わり方でした。
画像引用元:『未来よ こんにちは』公式サイト
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アイキャッチ画像引用元:『未来よ こんにちは』公式サイト
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